2010/07/16

息子の決意

息子が書いた文章です。

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人は心の底では嫌っていたり苦手としている物事にあえて歩み寄るという天邪鬼な態度を無意識に取る事があるが、これは一種の防御反応であると思う。 
つまり、近寄り難く逃避し続けていた物事対するプレッシャーが限界を超え、逃避という手段すら手詰まりだと感じた時、逆に相手の懐に飛び込むことで相手を知りそこから活路を見出そうとしているのだ。 
トラブルシューティングの方法論としては良さそうなものだが、ここで忘れてはならないのがこれは論理的思考に起因するものではなくあくまでも本能的反応で、熱湯に手が触れた時すぐに手を引く行為と同じものだということだ。 

こんな記憶は無いだろうか。 
試験前ということで苦手科目の勉強に着手する。最初はテキストを広げるのも嫌だったが、あぁでもないこうでもないと格闘しているうちに段々楽しくなって来る。 
「何だ、やれば面白いじゃないか」 
と。 

さて、あるという方にお尋ねしたい。 
今もその科目と仲良くやれているだろうか。 
その体験を切欠に苦手科目と和解を果たした方ももちろんいらっしゃるだろうが、全員が全員そうでは無いはずだ。 
一時結ばれた停戦条約が虚しく決壊してしまった方、思い返して頂きたい。 
「少し楽しいと思えたけどやっぱり馬が合わないらしい」 
と感じる瞬間は割と早く訪れたのではないだろうか。 

私など人生で何度古典と歴史相手に停戦条約を破綻させて来たか、もはや数えきれない。 

和解を果たした人とそうでない人、二者間の差を生み出した要因の一つに、本当に基礎が理解できたのか、という事があると思う。 

次のステップに進む際に絶対に抜けてはならない基礎基本は必ず存在し、それを欠かせば以降の学習が捗る理由が無い。 
助動詞の活用表を覚えずに古文は出来ないし単語力の無い人間が始めから英文に噛り付いても日が暮れるだけだし三角形の角度と対辺が与えられて正弦定理を連想出来ない様では図形問題など論外である。 
「いやそんなことは無い出来る」 
という意見も稀に見るが気の迷いである。意見を覆させざるを得ない壁にぶち当たる日もそう遠く無いかと思う。 

勉強の起点はこれら各科目で常識とされている事を知る事にあり、学校配布のワークの各章冒頭に配置されている用語の穴埋めや文字式に数値を代入するだけの問題を解いたり、うんうん頷きながら巻末の解答をノートに書き写したりすることではない。しかしこれら基本を謳うがその実ただの子供騙しの問題は基礎基本が一通りインストールされていなくても難無く解けたりする。 

そういった問題を解く、目の前の問題が解決される。ここだ、ここに騙される。だって俺がそうだったんだもん。 

明らかに必要な基本が欠落しているが、中途半端な生分かりでも良しと思ってしまうのだ。 
何故かと言えば今まで全く食えなかった科目に少し近づけた様な気がするからだ。早い話が好意的勘違い、メールに珍しくハートの絵文字が混ざっていただけで惚れる男の心境みたいなものだと思う。
生分かりに不気味さを感じ取らないのは得意科目をやっている時にはあり得ないことのはずだ。 

当然、そういう場合は実は分かってないのだからすぐに詰まる。 
基礎に忠実な人でも壁に当たる時は必ず来るが、それとは状況が少し違う。 
生分かりの人は詰まった場所のレベルで奮闘してもトラブルは解決しない。基礎に帰って助動詞活用表を覚えたり英文法を掘り下げたり図形の定理の運用練習をしたりしない限り次へは進めないのだ。 

ここら辺で我慢が効かなくなり、苦手科目との停戦条約が決壊するのでは無いだろうか。 

安心を求める本能的防御反応に従い、漠然とした「イケる」といった感覚に身を任せてばかりいると本質を省みることを忘れ、かのような結末を迎えかねない。 

しかし、始めは生分かりでもこの段階で諦めなかった人は見事友好条約の締結に成功したことだろうと思う。例え生分かりの錯覚であっても、半ばアレルギーのような嫌い方をしていた科目に歩み寄れるというのはチャンスには違い無い。 
もしも今勉学において苦手科目を楽しいと思えて来た人が居るならば、そういう機会を無駄にしないことを切に願う。 



どう見てもここまで全て自分への言い聞かせ 
俺は高校生に入って以降いくら待っても古文が心を開いてくれないので残念ですがゲロを吐きながら嫌々人生で5度目くらいの古文の基礎勉強をはじめます今度は文法の段階で諦めて投げ出さないぞーおー 
教科書に書いてあるレベルのことを大事にしよー 
思えば将棋の勉強をやめた理由も定石を覚える事を放棄してあるレベル以上の他人に勝てなくなったからだったなぁ悪癖だいっそ死のうかなフヒヒ