2010/07/25

クサナギツヨシが選んだ『帰ってきたヨッパライ』

どうも原曲の経緯を知らない人が多いようなので、これは一応、触れておかねばなるまい。 


「全裸事件を自嘲!? 草なぎ剛のソロ曲「帰って来たヨッパライ」に話題集中」(サイゾー・ウーマンより)



「『帰って来たヨッパライ』ってことなんで、いろいろ意見があるみたいだけど」と、世間の声を認識していることを前置きしながら「この曲、僕が選んだんですよ」と、自身の意志であることをきっぱり宣言。

さらに、ザ・フォーク・クルセダーズのボーカルであり、「帰って来た~」の作曲担当でもある加藤和彦が『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)にゲストで登場したときのことを振り返って、

「スマスマに来ていただいて、一緒に歌ったりとか。僕も去年ちょっと皆さんに迷惑かけたこととかあったりして」
「加藤さん去年ね、亡くなられてしまったりとかして」
「なんかねえ、詞を見た時に、すごい深い詞で。これをすべてエンタテイメントとして、前向きに捉えることができるんじゃないかなと思ったんですよ」
「いろいろ曲は他にもあったんですけど。すべて含めてこの曲がいいなと思って、この曲にしてみました」 


1960年代半ば。京都。 

『帰ってきたヨッパライ』は、アマチュアグループ、ザ・フォーク・クルセダーズ(当時はザ・フォーク・クルセイダーズ)の活動とは別に、加藤和彦が、後のミカ夫人を通して知り合った生涯の盟友の一人、作詞家でイラストも描く松山猛と毎晩あれやこれやと1曲ずつ気楽に作っていたうちの一曲です。 

最初は5人いたメンバーも、最後は加藤、北山修、平沼義男の3人になり、大学に戻るため解散する記念に何か、ということで北山の父から20万円借りてアルバム『ハレンチ』を作ることになりました。所詮素人の300枚のアルバム。ほとんどはありもののの曲でそろえたものの、やはり曲数が足りない。そこで『帰ってきたヨッパライ』を加藤が北山と平沼に提示したところ「おもしろい」と盛り上がる。 

加藤が松山と作っていたのはシンプルに「オラは死んじまっただー、天国よいとこ一度はおいで酒はうまいしネエちゃんはきれいだ」の歌。当時交通事故が多く、ヨッパライ運転防止の歌?みたいなノリで作ったと松山は後に語っています。そこに、北山が「なぁおまえー。天国ちゅうとこはそんなに甘いとこやおまへんにゃ。もっとまじめにやれー」と、最後のお経~ア・ハード・ディズ・ナイト~の部分を付け足しました。加藤も平沼もアイディアを出したようです。 

それでこの曲の作詞者は松山一人ではなく「ザ・フォーク・パロディ・ギャング」となっています。 

加藤は北山の妹が英会話の勉強に使っていたオープンリールのテープレコーダーを早回しすることで「カワイイ声」を作ろうと発想します。このあたり加藤の天才を感じさせます。 

この曲がアルバム『ハレンチ』(iTunesストアでも買えます。が、あえてこの曲が入った1枚を買うのなら『紀元弐千年』をおすすめします)となり、松山の「サイケ」なデザインに世界の民謡や不思議な歌をちりばめた一枚に。しかし、売れません。加藤や北山が関西の知り合いのラジオ局にかけてください、と言って回り、やがて爆発的ヒットとなりました。高度経済成長の最中であり、70年安保の手前です。 

後に北山は精神科医として母子関係、共視論などの研究を深めてゆく中で、この曲の中に三角関係を見いだします。 

オラ-ネエちゃん-神様-オラ 

という三角形です。オラはずっとネエちゃんと仲良くしていたい、でも神様がじゃまをする。 

またエディプス・コンプレックスという有名な三角形があります。 

息子-母-父-息子 

息子は父を殺し、母と同衾します。しかし、壊れてゆく。 

いずれの三角形も「父」が男の子と女の間を切り裂こうとする。この曲を完成するにあたり、父性を、北山は無意識のうちに体現していたのです。そして、父性が消えてゆく時代へと突入してゆく中、平沼は家の事情で脱退、学生運動最盛期で大学の門は封鎖され「1年間通学しなくても単位がもらえる」というチャンスに、北山は加藤を誘い、加藤がはしだを誘い、三人で新生ザ・フォーク・クルセダーズとして1年間と区切りをつけて活動しました。そして1年後、約束通り解散し、解散後に数枚のシングルを出して、フォークルは存在しなくなりました。 

というわけで、実はこの録音版『帰ってきたヨッパライ』に、はしだのりひこは参加していません。が、ステージでは「オラ」を担当しました。 

その後の各自の活躍は皆さんご存じのことでしょう。 

加藤和彦はサディスティック・ミカ・バンドをはじめとして、ボーカリスト、演奏家、作曲家でありながら、プロデュースにもっとも気持ちを割いたようです。泉谷しげるの『春夏秋冬』も、吉田拓郎の『結婚しようよ』も、加藤のプロデュースとアレンジがなかったら、あれほどのヒット曲にはならなかったでしょう。後に安井かずみ夫人と彼女の死までヒット曲を量産。彼が自分の「ボーカリスト」としてのたぐいまれな資質を軽く見積もっていたことが残念でなりません。 

はしだのりひこはシューベルツ、クライマックスなどで北山の詞を得て「風」「花嫁」などの大ヒットをとばし、一時専業主夫を経て、現在ソロ活動中。 

北山修は医学の中で精神科に進もうか、と迷いつつ、やはり一通りの処置もできない医者ではいけない、と内科の研修を受けた後、イギリスで2年間の留学の間に出会った教授たちの影響もあり、完全に精神科への道を定め、たくさんの論文や著作をなし、九州大学で20年間教鞭を執った後、名誉教授として退官し、これからは一臨床医及び後進の指導にあたりつつ、年に数回はトークやライブを行ってゆくようです。



この詞を「深い」と言ったクサナギツヨシはすごい。論理的ではなく、直感的に感じたのでしょう。つかこうへいの舞台『蒲田行進曲』で、銀ちゃん、小夏、ヤスの壮絶な三角関係を演じきりました。それはあまりにこじつけかもしれませんが…。 

蒲田のとき、クサナギツヨシは「台詞を言っていると自然にそういう気持ちになってゆく」というようなことを言っていました。この歌を口ずさんで、何かを感じたに違いありません。 

加藤の自死は、いくら惜しんでもあまりあります。つかこうへい先生が、生きたくても生きられなかった。同世代、団塊の世代の天才二人が、去年、今年と去ってしまったことが悲しくてなりません。 

ちなみに北山は加藤との唯一のデュエットシングル『あの素晴しい愛をもう一度』をあとから考察し、 

“同じ方向をみて心一つと誓っていた二人が別れる”ことを、母子関係にたとえています。 

3歳、4歳、5歳のかわいい盛り。赤とんぼをおいかけたり、花を摘んだり、一緒に楽しく同じ未来を見て「ずっと一緒」と生きてきた母子。しかし、やがて子はそれを忘れてしまい、独り立ちしてゆきます。母は寂しく「心と心が今はもう通わない」と嘆きますが、旅立つ子供を頼もしくも思う、揺れる心。 

音楽はどんな風に解釈してもよいけれど、わたしはこの解釈がとても好きです。 

話がそれましたが、クサナギツヨシの『帰ってきたヨッパライ』については、きたやまおさむさんのご意見をぜひとも伺ってみたいものです。


【後日談】
TBSラジオ土曜ワイド(永六輔)にきたやまおさむが出演、それまでなにもジャニーズ事務所からコンタクトがなかったのだが、事務手続き上の不備だったようで、法的に使用して良い旨伝えたところ、クサナギくん自身からきたやまさん宛にお詫びとお礼の手紙が届いたそうです。縦書きだったと驚いていました。「クサナギくんバージョンのアレンジいいよね」とのことでした。

2010/07/16

バックさんアップさん

昔々、日経クリックという雑誌に連載していた漫才コラム。ネタ作りから全部自分一人だったからしんどかったけど、楽しいお仕事でした。またイラストの山口さんがいい味のCG作って下さって…。

これは最後期なのでいまいちですけど、ツイッターとちょっとつながるし、ま、発掘したので。



Date: Mon, 21 Sep 1998 18:10:53 +0900

バック(以下バ) あー、びっくりした!
アップ(以下ア) どないした?
バ 親戚の女の子とお茶飲んでたらな、突然「あーっ!」言いよんねん。
ア 女の子が。
バ 「あーっ!メールやわ」。
ア メール?
バ 「今、アタシにメール届いてん……」目すわっとんねん。
ア コワいな。なんでメール届いたんわかるねん。
バ なんか電波が来たらしい。
ア 危ないがな。
バ いやいや、マジにPHSの電波が飛んで来たんや。
ア PHS?
バ あるやろ、Pメールとかきゃらメールとか。
ア あー、文字メッセージ。ポケベルみたいなサービスや。
バ いま女子高生が「メール」言うたらPHSの文字メッセージのことや。
ア E-mailとちゃうの。
バ そや。そのメールが届いてブルッて「あー」や。
ア バイブレーター受信ね。
バ パッとウィンドウ見て、ギャハハハハハと笑って。
ア どんな内容やねん?
バ 「ナニシテルノ?」
ア つまらんな。
バ タタタタタタッ……すごい勢いで返事打って送りよんねん。
ア 返事は?
バ 「オヤジトオチャ」
ア ムカつくなー。
バ すぐ返事が来て「ゲロダサー」
ア なに?
バ 「すっげえダサい」ってこと。
ア 日本語かそれは!
バ 「カレシ?」「シンセキ」「カネモチ?」「ビンボー」「ゲロダサー」
ア やめんか、それは!
バ ほっといたら延々メールのやりとり。
ア 電話したらええやないかい、電話やねんから!
バ ところがこの文字コミュニケーションがオキニ。
ア お気に入り。キミがうつってどないすんねん。
バ 授業中、仕事中でもメッセージのやりとりができる。
ア とんでもないな。
バ ある調査によると、某PHSキャリアの総発信数の4割が文字メッセージ。
ア ほんまかいな。
バ 和歌俳諧は日本の伝統。もともとショートメッセージが好きな国民。
ア そんな大層なもんか! 子どもの遊びや。大人ができるか「ゲロダサー」。
バ いや、大人にもはやっとんねん。大人バージョンが。
ア どんなバージョンや。
バ 漢字メッセージ。
ア ああ最近漢字対応の文字メッセージサービス増えたからな。
バ 「遅乞許泣」
ア なんやそれ。
バ 「遅れる許してごめーん(泣)」
ア 普通に打て!
バ 漢字に変換するのめんどうやから簡略になんねん。「午前閉鎖」
ア 午前中に戸を閉める?
バ 「午前様になったら家に入れないわよっ」
ア なるほど。
バ 「六四.五水ガ浴別」
ア はあー?
バ 「六畳四畳半水道ガス完備浴室トイレ別」
ア 不動産の広告か!
バ PHSやケータイでワビサビを味わおう!
ア 勝手にやっとれ!
 

息子の決意

息子が書いた文章です。

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人は心の底では嫌っていたり苦手としている物事にあえて歩み寄るという天邪鬼な態度を無意識に取る事があるが、これは一種の防御反応であると思う。 
つまり、近寄り難く逃避し続けていた物事対するプレッシャーが限界を超え、逃避という手段すら手詰まりだと感じた時、逆に相手の懐に飛び込むことで相手を知りそこから活路を見出そうとしているのだ。 
トラブルシューティングの方法論としては良さそうなものだが、ここで忘れてはならないのがこれは論理的思考に起因するものではなくあくまでも本能的反応で、熱湯に手が触れた時すぐに手を引く行為と同じものだということだ。 

こんな記憶は無いだろうか。 
試験前ということで苦手科目の勉強に着手する。最初はテキストを広げるのも嫌だったが、あぁでもないこうでもないと格闘しているうちに段々楽しくなって来る。 
「何だ、やれば面白いじゃないか」 
と。 

さて、あるという方にお尋ねしたい。 
今もその科目と仲良くやれているだろうか。 
その体験を切欠に苦手科目と和解を果たした方ももちろんいらっしゃるだろうが、全員が全員そうでは無いはずだ。 
一時結ばれた停戦条約が虚しく決壊してしまった方、思い返して頂きたい。 
「少し楽しいと思えたけどやっぱり馬が合わないらしい」 
と感じる瞬間は割と早く訪れたのではないだろうか。 

私など人生で何度古典と歴史相手に停戦条約を破綻させて来たか、もはや数えきれない。 

和解を果たした人とそうでない人、二者間の差を生み出した要因の一つに、本当に基礎が理解できたのか、という事があると思う。 

次のステップに進む際に絶対に抜けてはならない基礎基本は必ず存在し、それを欠かせば以降の学習が捗る理由が無い。 
助動詞の活用表を覚えずに古文は出来ないし単語力の無い人間が始めから英文に噛り付いても日が暮れるだけだし三角形の角度と対辺が与えられて正弦定理を連想出来ない様では図形問題など論外である。 
「いやそんなことは無い出来る」 
という意見も稀に見るが気の迷いである。意見を覆させざるを得ない壁にぶち当たる日もそう遠く無いかと思う。 

勉強の起点はこれら各科目で常識とされている事を知る事にあり、学校配布のワークの各章冒頭に配置されている用語の穴埋めや文字式に数値を代入するだけの問題を解いたり、うんうん頷きながら巻末の解答をノートに書き写したりすることではない。しかしこれら基本を謳うがその実ただの子供騙しの問題は基礎基本が一通りインストールされていなくても難無く解けたりする。 

そういった問題を解く、目の前の問題が解決される。ここだ、ここに騙される。だって俺がそうだったんだもん。 

明らかに必要な基本が欠落しているが、中途半端な生分かりでも良しと思ってしまうのだ。 
何故かと言えば今まで全く食えなかった科目に少し近づけた様な気がするからだ。早い話が好意的勘違い、メールに珍しくハートの絵文字が混ざっていただけで惚れる男の心境みたいなものだと思う。
生分かりに不気味さを感じ取らないのは得意科目をやっている時にはあり得ないことのはずだ。 

当然、そういう場合は実は分かってないのだからすぐに詰まる。 
基礎に忠実な人でも壁に当たる時は必ず来るが、それとは状況が少し違う。 
生分かりの人は詰まった場所のレベルで奮闘してもトラブルは解決しない。基礎に帰って助動詞活用表を覚えたり英文法を掘り下げたり図形の定理の運用練習をしたりしない限り次へは進めないのだ。 

ここら辺で我慢が効かなくなり、苦手科目との停戦条約が決壊するのでは無いだろうか。 

安心を求める本能的防御反応に従い、漠然とした「イケる」といった感覚に身を任せてばかりいると本質を省みることを忘れ、かのような結末を迎えかねない。 

しかし、始めは生分かりでもこの段階で諦めなかった人は見事友好条約の締結に成功したことだろうと思う。例え生分かりの錯覚であっても、半ばアレルギーのような嫌い方をしていた科目に歩み寄れるというのはチャンスには違い無い。 
もしも今勉学において苦手科目を楽しいと思えて来た人が居るならば、そういう機会を無駄にしないことを切に願う。 



どう見てもここまで全て自分への言い聞かせ 
俺は高校生に入って以降いくら待っても古文が心を開いてくれないので残念ですがゲロを吐きながら嫌々人生で5度目くらいの古文の基礎勉強をはじめます今度は文法の段階で諦めて投げ出さないぞーおー 
教科書に書いてあるレベルのことを大事にしよー 
思えば将棋の勉強をやめた理由も定石を覚える事を放棄してあるレベル以上の他人に勝てなくなったからだったなぁ悪癖だいっそ死のうかなフヒヒ



2010/07/13

喪失 不在

ある朝起きたら、輝いていて当たり前だった太陽がなかった。

本当に、唐突になかった。

ちらっと太陽の具合が悪いらしいよ、という話はきいていたけれど、
まさか突然消えてしまうなんて夢にも思わなかった。

だから、それは闘病の末の、がんばり抜いた、生き抜いた到達点ではあるけれど、
突然知ったわたしには、まるで太陽がなくなったようだった。

もう:荼毘にも付され、お別れの会もないという。

先生らしい。うん、らしいですよ、先生。

「ばか、あとはおまえ、自分の希望は自分で見つけろ!俺がヒントたくさんやっただろ」

って、どこかからしかられる声が聞こえるような気がします。

「だけどなあ、お前は本当にばかだから、わかんねえかもな(笑)」

そんな意地悪な声も…。

でも全部愛だった。愛ばかりの人だった。
誰もがそういう。
先生と接した人は。

愛を与えることばかりで、自分が愛されることをうっかり忘れていたりした。
思い出して、さみしがってたりした。

「いつも心に太陽を持って、みなさんは生きていくのです!」

きっと、太陽は昇るでしょう。

何ヶ月、何年先になるかわからないけれど。

先生、本当に本当に、ありがとうございました!

ありがとうございました!

2010/06/22

最近の#twnovel

【父の日】 
今日は父の日。私のお父さんの楽しみは、テレビで巨人戦を見ながらお酒を飲むこと。ささやかなサラリーマンの楽しみ。そして巨人が負けると母を渾身の力で殴ること。お父さん、今夜のお酒にプレゼント入れるから永遠に巨人の夢見てね。これ、母の日のプレゼントの方がよかったかな。 

【空襲】 
夜中、ぐっすり寝入っていた僕は「オサム!起きろ!空襲だ!」という声に飛び起きた。父が家中を走り回って家族を起こしている。昨日まで寝たきりだった父が!「父さん!オサムだよ、わかる?」。父は目の前の中年男とオサムが結びつかない。遠くにパトカーのサイレンが聞こえる。 

【とりかかれない】 
妻に支えられ、ようやく医者にたどり着いた。もう何ヶ月も家を出ていない。問診などのあと、医師は「とりかかれない症候群ですね」と言った。何かを「する」気持ちはあるが「とりかかれない」病だ。それはつまり「できない」。「何かできることは!」と問うと医者は「生きてます」。 

【お題・襲撃】 
「あたくしの肌?あらいやだ、何もしてませんのよ。50歳に見えない?またそんなあ。本当ですのよ、顔を洗う。それだけですのよ。ええ普通の石けん」。そのとき、開け放した窓から蜂の大群が彼女を襲撃した。塗りたくったロイヤルゼリーの仇討ちであった。 

【お題・スイーツ/昼寝/襲撃/神】 
「あんみつはあんみつだ。なんだスイーツ特集って。帰れ帰れ!ったく、ああいうのを見て襲撃しやがるんだ、ギャルってのがよ。ああー頭痛てえ。ちょっと昼寝するわ」。それっきり爺ちゃんは目覚めなかった。今頃神様に「俺ぁ仏教だ!」って喧嘩売ってるな。 

【同時多発テロ】 
「何!同時多発テロ!」。警視庁に緊張が走った。「どこからの情報だ!」「気象庁です!」「気象庁?」。気象庁では、各地からの異常現象にてんてこまいだった。「山梨で集中豪鰯!」「岡山で集中豪鰺!」。しかし一番多いのは、豪雨のように降り注ぐカエルであった。同時多発ケロ。 

【ネクタイ】 
父の日、娘がネクタイをパパにプレゼントした。安物ばかり締めているパパが見ても、ものがいい。「だめだぞ、無理しちゃ」「大丈夫。絶対似合うから毎日してね」。パパは嬉しくて毎日そのネクタイを締めて出社した。夕方になるとママと娘はパソコンの前でGPSをチェックしていた。 

【籠の鳥】 
「♪籠の鳥とんだ、屋根まで飛んだ、屋根まで飛んで、重くて落ちた」「だから不倫はよしなさいって言ったじゃない」。 

【壁打ち】 
僕には友だちがいない。だから毎日壁相手にボールを投げ、ボールを打つ。壁に跳ね返ったボールを受け、また投げ、打つ。壁を夕日が染める頃、僕はとぼとぼと家路をたどる。投げても投げても、そのまま帰ってくるだけの僕のかわいそうなボール。僕の前に立ちはだかるのは、言葉の壁。 

【素直な人】 
俺だ、小沢だ。そんな情けない声を出すな。電話越しにとって食えるか。…黙るな。そこはつっこむとこだろう。面と向かったって食えないでしょう、とか、食えないのはあなたですよ、とか。…メモするな。今後海外要人と会うときに使える?…とりあえず首洗っとけ。…本当に洗うなよ! 

【でんじろう】 
「ペット いわいでんじろう。ぼくはペットのでんじろうがだいすきだからぼくとおなじなまえをつけました。パパはぼくがうまれたとき、うれしくてうれしくてすきすぎてぼくにおなじなまえをつけました。パパがママとけっこんしたのは、もちろんママのなまえがでんじろうだからです」 

【理論】 
つまりね、簡単に言うと、石橋というのは石と石とが、ぎゅっ、と押し合う、その圧によって弓なりでなりたっているわけ。難しいことは言っても無駄だろうから省くけど計算上そういうことなわけ。その石橋がね、頑丈な石橋が、落ちた、と。そういう歌なんだよ、ロンドン橋というのは。 

【非実在】 
児童ポルノの氾濫が看過できぬ状態となり、ついに政府が動いた。「少年少女の性的イメージはいかん」「まったくさようで」「法律を作れ」「はい」。しかしいざその段になって官僚達は困った。少年少女とは何歳まで?平均寿命1億5千年のトチジ星人は悩む。 


【悪人】 
俺は悪人である。どうだ。どうだと言われても困るだろう。お前に直接悪さは出来ない。俺は所詮2次元の悪人だからな。だから読んでるお前が気持ち悪くなることをいっぱい言ってやる。覚悟して読め!さあ…ウンコ!…なんだその半笑いは。オバケ!…おい、嫁を呼ぶな。二人で笑うな! 

【漫画家の弟子】 
僕は中学高校と漫研の部長だった。後輩を連れ迷いもなく和田ラヂヲ先生の門を叩いた。門から家まで5キロあるので、一時間ほど待った。先生は「僕は弟子は取らんのだが」とお定まりの台詞。「先生、筆名を考えて参りました」「何」「和田ラヂヲと暇なスターズ」「役に立たねえよ」。 

【なか卯】 
3日前から何も食ってねえ。ようやく田舎町に入った。この時間にやってる店は少ない。飢えた狼のように眼をぎらぎらさせ、ついになか卯の灯りを見つけた。涙が出た。俺はよろよろとなか卯に入った。「…小うどん」「はい」「と…お前だあーっ!」 

【鉄道研究会】 
大学に入学して迷わず鉄道研究会に入った。「君、乗り鉄?」。先輩が微笑んで聞いてくれたので勇んで答えた。「僕は、終着駅なのか始発駅なのかを決める研究をしたいんです!」。先輩達の顔が凍り付いた。やはりこれが、鉄の中で触れてはいけない永遠の謎か。僕はまた一人旅に出た。 

【忘れてないかもう一人】 
どんぶらこっと。おっと、また言っちまった。「どっこいしょ」って言うんだよな。ついつい昔の癖が出ちまうよ。えーっと、何するんだっけ。あっ、今日も一日署長だ。熊谷だっけか?交通事故防止、犯罪防止、正義の味方のお仕事だ。頑張ろう。え?桃太郎?誰それ。俺一寸法師だけど。 

【記憶】 
記憶は嘘をつく。特に子供の記憶ほど当てにならぬものはない。それは子供が主観的な生き物だからだ。小さな世界で物語を作ってしまう。大人だって似たようなものだ。記憶は嘘をつく。その嘘を点検するのが老後の楽しみだった。が、僕の記憶は嘘どころか嘘どころか、何の話でしたか? 

【今はテーブルマーク】 
母ちゃんが出て行った。親父はパチンコと競馬で帰ってこない。好きなものを食べていい。加ト吉の冷凍うどんをしこたま買い込み、毎日考えたレシピを集めた『ウドンデス中学生』が大ヒットした。父ちゃん母ちゃん、帰ってきて。一緒にうどん食おう。 

【約束】 
若者が駅のホームにじっと立っている。老いた駅員が彼に近よると、若者はすっ、と消えた。「ああ、君か」。十数年前、ここで恋人同士が待ち合わせをした。が彼女は来なかった。彼は東京で結婚して子供もいると風の便り。東京の彼は自分が毎年ふるさとのホームに来ることを知らない。

#twnovel 5月頃

【見合い】
こーん、とししおどしが石を鳴らした。和室の若い二人は、どう会話していいかわからない。「あの」「はい」「いや…」。こーん。「あの」「はい」「僕は、恥ずかしいのですが女性とつきあったことがないんです」「わたしも真面目すぎるって言われてます。今まで、ノンパコなんです」
【二郎】
風呂屋の二郎が煙突のてっぺんに立っている。「おうい、二郎、何しとる」。二郎は仁王立ちのまま風に吹かれている。町内の人々が集まってきた。「おうい、二郎、降りてこい」。二郎は煙突の上から叫んだ。「父ちゃん!母ちゃん!おいら、風呂屋、継ぐよ!」。二郎は面倒な男だった。
【作家】
俺は職人作家。オーダーがあれば何でも書く。本格ミステリから純文学、携帯小説、麒麟の漫才、自伝のゴースト、いしかわじゅんの漫画のゴースト、そうだ、絵だって描く。ネタ枯れやスランプなんて言葉は無縁だ。ただ、ここ数年は新しい仕事は無理だ。広辞苑のゴーストは骨が折れる。
【高い男と低い男】
オレオレ詐欺のニュースが終わった。「お疲れさん。次はTBS?」「はい、でCXです」「君達しかいないからね」。二人の男は頭を下げ、急ぎ足で次へと向かう。二人の男は“声の低い男”と“声の高い男”とだけ呼ばれている。低い男は犯人の声、高い男は被害者の声を担当している。
【7分】
老いた父が、7分ずれた。ぼけたのではない。ずれた。俺が7分前に入っていたトイレに向かって「早く出なさい」という。夕食が終わった7分後に「旨いね」と洗い物をする母の背中に言う。テレビの漫才が終わった7分後に笑い出す。心停止7分後、父は「ありがとう」と言って死んだ。
【困った】
「今晩は小鳥よしおです。あ、すみません、これ裸ですけど、これ衣装なんで…。あの、今夜泊めていただけませんか?えっ、そうですか、ありがとうございますm(_ _ )m。では今からお邪魔します」。結婚するときは面白い人だと思ったけど、毎日こんな帰るメール、ウザいわー。
【ハーレクイン】
恥ずかしいけど、ハーレクインにはまってる。恥ずかしいっていうのは貶めているのではなく、キャラじゃないってこと。だって人殺しだもん、俺。報酬でホテルを転々としながら夜ごとツイッターでつぶやく。「こんな恋してみたい」。「私も」「私も」。オフ会に出られないのが悲しい。

2010/04/13

夫、深川岳志の#twnovel 10選

手前味噌ですが、夫のツイッターノベル(#twnovel)、私の好きな厳選10編です。
ツイッター小説大賞にも応募しましたが,残念ながら一次審査で全部落ちてしまいました。
とても悲しいのでここに並べます。
ご笑覧頂けましたら幸いです。



作・深川岳志 @noraokapi

「喪中」

「両親、妻子、みんな死んでるじゃないか。保険金狙いで殺したんだろ」「ちげーよ」「しかも結婚十回ってなんだよ」「警部」と名探偵が言った。「なぜ毎年一人ずつ殺していると思います? 喪中ですよ」「うおお。書きたくなかったんだよお」年賀状嫌いの犯人は号泣して罪を認めた。 #twnovel

「三兄弟」

うたた寝して、はっと気づいたら机の隅で三兄弟が踊っていた。「ねむい」「だるい」「はらへった」三兄弟を鷲づかみにして、空箱に放り込む。すこし油断すると、すぐにあらわれるのだ。幻覚を持って精神科を訪ねた。箱を開けると、空っぽ。不審げな医者の頭の上でうつ三兄弟が踊る。 #twnovel


「膝の猫」
猫が亡くなったので動物寺に埋葬してきた。悲しさのあまりソファにあぐらをかいて茫然としていると、いつの間にか膝の間に猫がいた。「ん、おまえ軽くなったな」って、さっき埋葬したところじゃねえかっ。うとうと眠っていた猫は、だからなんだというふうに薄目を開けておれを見た。 #twnovel


「権ピューター」
脳にコンピュータチップを埋め込んだ権蔵じいさんのもの忘れが激しくなった。「完璧な記憶力だったのにどうして?」「メモリーが足りなくなって重要度の低い記憶を消していったんじゃ」「それでいいんじゃないの?」「大切な記憶は残すべきじゃった」権ピュータはしくしくと泣いた。 #twnovel


「分け入っても」
「分け入っても分け入ってもドアの鍵」「さすが警部殿、山頭火のもじりでありますか」「うるさい。一体何枚あるんだ」「135枚です」「なんでこんな家を造りやがった」「主人が死んでしまったので永遠の謎です」「念の入った密室殺人だな」「いえ、部屋の窓は開けっ放しでした」 #twnovel


「便利屋」
便利屋が挨拶に来た。いつの間にか家に上がり、夕飯を食べている。「こんなにのんびりしていていいんですか」と私は晩酌しながら尋ねた。「私どもの仕事は不便を見つけるところから始めるものですから」一ヶ月滞在した後「じつに快適なお住まいです」といって便利屋は去っていった。 #twnovel


「貧乏くじ」
「貧乏籤に当選いたしました」という電話がかかってきた。そんな縁起の悪いものを買った覚えはないというと、宝くじだという。宝くじにはプラスの当たりとマイナスの当たりがあるというのだが、にわかには信じられない。ほんの出来心で、私は2億円の借金持ちになってしまった。 #twnovel


「歩」

太平洋から九匹の怪獣「歩」が上陸し、日本海側からも同じく九匹の「歩」が上陸して日本中が大騒ぎになった。続いて「槍」「桂馬」「銀」「金」「飛車」「王」が上陸し、自衛隊の邪魔をものともせずに勝負を開始した。夜になると次の一手を封印して、怪獣たちは深い眠りに落ちた。 #twnovel


「猿飛佐助なう」
「十四代目猿飛佐助、なう」「なう、てなんだ」「すみません。現代風にアレンジしてみました」「失敬な。私を誰だと思っておる。言い直せ」「十四代目猿飛佐助ただいま参上」「よし。用件をいえ」「お命頂戴」「あ、そういうことは秘書官に」首相の首がころりんと転がった。 #twnovel


「があちゃん」
帰宅すると、エプロンをつけたあひるが出迎えた。「があー」「があちゃんか。おまえ、かあちゃんは知らんか?」「があー」があちゃんはけっこう器用に家事をこなした。なぜわたしの世話を焼いてくれるのかはよくわからない。「おまえ、ひょっとしてかあちゃんなのか?」「があー」 #twnovel


2010/02/19

藤田まこと氏追悼 『役者魂!』を知っていますか?

藤田まことさん急逝の報に接し、ご冥福をお祈りいたします。


世代的に、スチャラカ社員、てなもんやシリーズで育ち、長じて仕置き人もけっこう見ていたし、はぐれ刑事は母親につきあって見ていたし。

晩年、いいお仕事もいろいろなさっていた中で、藤田氏の寿命を縮めたのではないかと思われるドラマが存在したことを、皆様ご存じでしょうか?

『役者魂!』
http://ja.wikipedia.org/wiki/役者魂!

わたしは事情あって、全回録画し、リアルタイムで見ました。
そして、藤田さんがあまりに不憫で、ああ、この方に新しいドラマは来ないだろう…
と暗い気持ちになりました。

その後、映画でいいお仕事をなさって、よかったと思います。

どんなドラマだったのか?

これは単なる「駄作」ではありません。ドラマ史に(黒歴史として)残すべき作品です。

大変長くなりますが、2006年11月にmixiに書いた日記を一部加筆訂正して転載します。



【役者魂!】

えっ。一回目で後足で砂かけてリタイヤしたはずでは!?

そうなんです。なんですがっ。事情(わけ)あって昨日より復活。昼間の再放送、というか「これを見れば今日からでもついていけますよーな今までのまとめ」も見てしまいました。

ある意味。これ、見ておいた方がいいかもしれません。エポックメーキング。二度と巡り会えぬ怪作になるかもしれません。それ以前に間違いなく駄作なのですが、その駄作加減がハンパじゃない。しかも役者はいいところ揃えて、全員熱演好演、だけど超駄作。脚本大崩壊。

大変なことになっております、このドラマ。

もはや脚本の君塚良一氏、何らかの変調を来しておられるか、あるいは『踊る』の功績で誰も文句をつけられない裸の王様になってしまったのか。(※この後君塚氏は舞台を書いたので、あー、舞台に憧れておられたのね、と納得。ちなみにわたくし、君塚さんの昔の作品は大好きです)

主要登場人物は、

・舞台一筋、一本気な老シェイクスピア俳優・本能寺(妻を亡くし子供は独立) 
  (演・藤田まこと)
・天涯孤独、演劇は全く興味も知識もない芸能マネージャー・瞳美 
  (演・松たか子)
この二人が、望まないペアを組まされるところから始まったのであります。

そこに起きる事件。

・本能寺の子だと自称する小学生の姉弟が「おとうさまと暮らせと言われた」と訪ねてくる

・本能寺は『リチャード三世』の演技に納得いかず「幕を開けたくない」と言う 

えーと……この程度?

あとはランダムに。

・本能寺は隠し子発覚で動揺したため、芝居に没頭できず、台詞は投げやりに。なんとその演技が「肩の力の抜けた新境地」「リアルな演技」と大絶賛される。 

あのですね。本能寺は衣装が気に入らないと手縫いで直すほど、愚直なまでに芝居一筋の男。たとえ親が死んでも舞台は精一杯つとめるタイプじゃないんでしょうか? たかが隠し子で、茫然自失のまま舞台に立つなんて……しかももはや妻もなく、子供も独立しちゃってるんですよ。隠し事かどうでもよくないすか? しかもしかもその棒読み演技が怪我の功名で大ヒット、って、『プロデューサーズ』とか数多ある過去の黄金パターン。しかもしかもしかもっ! 本能寺の(藤田さんではありません)演技が、全く絶賛に値しない(爆)!


・重厚(と思ってほしいらしい)な演技について悩む本能寺のリハーサルを見たゲイのスタイリストが一言。「普通にやればいいんじゃないの?」。暗闇に一筋の光。「リアリズムと言うことかね?」。さらに、時代に合わせて台詞や衣装を変えるべきだ、という声も上がり、本能寺のリチャード三世は、ベトコン風迷彩服に銃を持ってリハーサルに登場、ラッパーらしき衣装でラップを口ずさみながらリハーサルに登場、時代劇の侍でリハーサルに登場、最後に一言「なんでワシがこんな格好をしなきゃならんのだ!」  

こっちが知りたいわっ(爆)!


・舞台が赤字だと聞いて事務所の社長は「当日券を売るとかもっと客を入れる努力をしろ」と瞳美に命じる。既に初日が空いてしまった芝居、手っ取り早く客をつかむにはテレビしかない、と、瞳美は生の情報番組に売り込み。情報番組とバラエティの違いがわからないアシスタントの経理くんが間違ってバラエティ番組を取ってきてしまい、コントをやれと言われた本能寺は怒って帰ってしまう。 

怒って帰ってしまった穴はどうするんだろう。本能寺が「くだらない」と怒るコントは、くだらないとかなんとか言う以前のレベル。そりゃテレビ屋はバカもいっぱいいるだろうけど、このステレオタイプは勘弁してくれ。それこそ「コントに出てくるテレビマン」だよ。てゆうかぁ、本能寺、あんたはコントにも出せないほどレベルの低いステレオタイプな「役者」だよぉー!(藤田さんのことではありません。本能寺というキャラクターが、です。本能寺の変じゃなく、本能寺が、変!)。


・夕方のバラエティだか情報番組だか、もはやなんだかわからない番組の「大食いにチャレンジ」コーナーに出演させられる本能寺。怒り心頭。本来ラーメンの大食い対決の所、瞳美が「待ってください!」と登場。その手には本能寺の大好物である大福が。「大福対決にしてください!」。大福なら本能寺が食べてくれると読んだ瞳美。しかし本能寺は戦いが始まっても渋面のまま大福に手をつけない。デブのチャンピオンが着々と食べ進む。……瞳美は叫んだ。

「先生! 演劇が、バラエティに負けてもいいんですかっ!」 

本能寺、猛然と、嬉しそうに、おいしそうに、どんどん食べてチャンピオンを破る。この模様は夕方の帯番組で放送され、センセーションを巻き起こし、劇場には人が詰めかけて大入り満員、万々歳♪


とくにコメントする気も起きませんがあえて書くなら「夕方の視聴率最大5パーセント程度の番組で大食いして、速攻その夜のリチャード三世に客が入るなら、演劇関係者は誰も苦労はせんっ!」。そして、


「先生! 演劇が、バラエティに負けてもいいんですかっ!」 



全身の毛が抜け落ちるかと思いました。

ああー、すごい。すごいぞ『役者魂!』。見続ける体力、わたしには多分ないけど、見られるときは見ておこう。それもできるだけ早い回を見た方がいい。ヘタすると、少しずつ修正して普通の駄作になってしまうかもしれない。あと、子役が無駄にうまく(ごめんね)、しかも大人と違って脚本を素直にそのまま演じているものだから、脚本のアラが見事に浮かび上がり、目も当てられない。これも見物です。また、演劇へのオマージュとかパスティーシュとか言ってほしいであろう、パロディにすらなっていない、それパクリだろ、が演劇好きには一興かも。


このドラマ、本気で役者魂持った役者だらけなんだよなあ……。非正規視聴復活。

※「無駄にうまい子役」、

川島海荷

の幼き日です。うまいに決まってますって!

2010/01/17

夫の悪夢

深夜、居間の床暖房の上で寝ていた夫が、突然、ひくっ、ひくひくっ、ひくっ、ひくひくっ、と呼吸困難のような音を出し、体もけいれんし始めた。

昨年なくなった夫の父が、まさに心臓で睡眠時無呼吸症などを煩っていた。びっくりして揺り起こすと、なんでもない。それで寝ると、しばらくたってまた、ひくっ、ひくひくっ、ひくっ、ひくひくっ、が始まる。これを三回繰り返し、いくら何でも、と四度目に手首を触って脈を診ようとしたら、

「あんたがそんなことばかりしよるから試合が進まへんねん」

と半笑いで言う。

まだ完全に目覚めていないうちに夢の内容を聞いた。

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お茶の入ったコップを投げる試合やねん。相手?相手いたなあ…誰やったかなあ…あ、宮迫! 宮迫と試合しとるのに、あんたがちょいちょい邪魔しよんねん。部屋の中でなあ、めっちゃ汚いからみんなでゴミとか拾ったりして、そうか、四人ぐらいおったなあ。誰やったかなあ。マンションの6階やねん。

あ、その前に道路や、道路で、宮迫と、あと誰か、ようわからんけど、とにかく追いかけっこみたいにしとって、なんやもう、おかしうておかしうて、ゲラゲラ笑って、ゲームしながらゲラゲラ笑って…

あ、そうか、そやからそのヒクヒクは、笑っとってん。

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心配さしなや、ややこしい夢見て!

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あとな、あんたが6階から飛び降りんねん(えーっ)。で、だーんと道路に仁王立ちする(なんでやねん)。そうすると、阪急電車が通ってんねんけど、乗客がみんな、ひゃーって飛ぶねん。迷惑なやっちゃ。

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夢でも悪役かい…(T_T)。

ちなみに、そのひくっ、ひくひくっ、のとき、ちょうどわたしは宮迫の記事をウェブで読んでいた。

…怖っ…

2010/01/16

Twitterとの連携

まだよくわからないので、テスト投稿です。
この投稿がTwitterに反映されれば成功なのですが、さて。

今日、明日、息子がセンター入試。
明日は送り出した後、息子と自分の母校に行って、恩師を偲ぶ会。
息子が試験の最中、彼の高校にいるのもまた、何かよいかな、と。