クリント・イーストウッド監督『ジャージーボーイズ』を観てきた。
フォーシーズンズが大好きで、もちろんリアルタイム(60年代前半〜10才以前)にはまるわけもなく、後追いではあるのだけど、ずーっと聞いている。カラオケというものが登場してからは、収録曲が極端に少ないけれど、何度も歌っている。
しかし、楽曲が好き、それだけであり、フランキー・バリとフォーシーズンズ、から、ソロのフランキー・バリになった経緯も知らないし、勝手に違うことを想像していた。ミュージカルのジャージーボーイズは、存在は知っていたが見る機会はなかった。興味すらなかった。だって元の音源聞いてりゃそれでいいんだもの。
これは、フォーシーズンズ、フランキー・バリの音楽を知ってるか、好きか、そのどちらかでないとかなり厳しい映画でしょう。大はまりのわたくしは、映画開始冒頭3秒で落ちた。「このインストゥルメントは!」
そのあとは、フランキーという天才ファルセットをとりまくひとびと、フォーシーズンズの成り立ち、出世、挫折、問題、分裂、再起、まあ、ひととおり考え得る展開。
だが何よりうれしいのは、
「この名曲はこんな風にして生まれたのか!」
というシーンがテンポ良く惜しげもなくつながってゆくこと。
いわば、主役は「名曲の数々」であり、だからその曲を知らないひとには「なんのこっちゃ」でありましょう。日本でヒットしなかったの、わかります。
ニュージャージーという土地柄、時代、夢、才能への敬意、美しすぎてどこまで本当かわからないけど、そもそもが「ドキュメンタリー仕立て」なんだからどうでもいい。大筋、生き残ってるひとたちが認めたんならそれでいいじゃん。
雨に唄えば、のオマージュじゃね?
とか、
どうでもいいことでうれしくなるおばさんは、すべての曲を一緒に口ずさみ、身体を揺らし、泣いていました。
ラストクレジット前の楽曲が、あれ、じゃなくて、これ、である意味、映画を観たらわかる。
ああ、なんとつまらないことしかいえないのだろうか。
ちなみに、裏情報を知る前にわたしがいちばん好きだった曲は、
December 1963
これねえ、late December 1963、ってとこがいいんだよね。日付まであったらひきます。
イギリスのテレビ映画シャーロックでは音楽の使い方も絶妙で、この曲も印象的なラストシーンで出てきます。そしてビージーズのステインアライブも、まさかのシーンで。
ビージーズのドキュメンタリー風映画とか舞台ってあるんでしょうか。
次はそれを観たいです。もはやバリー・ギブしか残ってない彼ら。
ボーカルグループつながりで言うと、今年の春、ハイ・ファイ・セットの旦那さん、山本さんが急逝されていたこともショックでした。大川さん、戻れないんだろうなあ。
とっちらかって、おわります。観ましょう。もうほとんど上映おわりますが、やがてDVDが出たらこれは買います。
あ、隣の60台とおぼしき先輩ご夫婦。「あら、クリストファー・プラマー」とおっしゃってましたが、もちろんウォーケンです。プラマーだったらそれはそれでうれしいけど。